📖きよちゃんの物語

想いから生まれた
小さなお店の物語

「友達でもない先生でもない、ただの大人に話せる場所」
そんな想いから始まった駄菓子屋きよちゃんの
温かい物語をお聞かせください。

↓ ゆっくりと物語をお楽しみください ↓
Chapter 1

始まりは母としての想い

4人の子どものために

4人の子どもを持つ母として、昔と比べてお店が減り、自動販売機でジュースを買う子どもたちを見て思いました。「子どもたちにお店で買い物をする体験をさせてあげたい」と。店主と子どもたち、そして地域の人々との温かい交流。それは、デジタル化が進む現代だからこそ、とても大切なものだと感じています。

きよちゃんの想い
始まりは母としての想い
1

📸 子どもたちと一緒に看板作り

Chapter 2

コロナ禍の決断、夢への第一歩

給付金に込めた想い

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で世界中が不安に包まれた年。政府から特別な給付金をいただいたとき、私は迷いました。そして気がついたんです。「今だからこそ、子どもたちのために何かできることがあるのではないか」と。外で遊べない、友達と会えない、そんな制約の多い毎日を過ごしている子どもたち。その子たちが安心して集える場所を作りたい。駄菓子屋という昔ながらの温かい空間で、子どもたちに「お店で買い物をする体験」を提供したい。家族からは「コロナ禍に新しいお店なんて大変よ」と心配されましたが、子どもたちの困った顔を思い浮かべると、じっとしていることができませんでした。いただいた給付金は、単なるお金ではなく、子どもたちへの愛情と、地域に対する想いを形にするための大切な第一歩だったのです。

きよちゃんの想い
コロナ禍の決断、夢への第一歩
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📸 想いを込めて完成したお店

Chapter 3

手作り看板に込められた想い

みんなで作る特別な場所

お店の看板は、子どもたちとママ友の皆さんと一緒に手作りしました。『駄菓子屋きよちゃん』の文字を、みんなで一文字ずつ下書きして、色を塗って…。「この『ょ』の形、どうかな?」「もう少し丸くした方がいいかも」そんな会話を交わしながら、何時間もかけて丁寧に作り上げました。子どもたちは真剣な表情で筆を握り、ママ友さんたちは「きよちゃんらしい温かい看板にしようね」と笑顔で応援してくれました。また、主人が心を込めて手彫りで作ってくれた木の看板もあります。機械で作った看板とは違う、手作りだからこその温かさ。この看板を見るたびに、お店は私一人のものではなく、みんなで作り上げた大切な場所なんだと改めて感じます。

きよちゃんの想い
手作り看板に込められた想い
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📸 みんなで心を込めて作った手作り看板

美しい夕焼けの地域風景

この美しい地域で

子どもたちと共に歩む
特別な時間

Chapter 4

受け継がれる陳列棚の物語

時を超えて繋がる想い

お店で使っている陳列棚には、それぞれに特別な歴史と物語があります。一つは、昔のお茶屋さんが長年使っていた斜めの陳列棚。商品が見やすく、子どもたちの小さな手でも取りやすいように計算されて作られた、職人の知恵が詰まった棚です。もう一つは、以前とてもお世話になった優しいおばちゃんの駄菓子屋から譲り受けた思い出深い棚。その棚は何十年もの間、たくさんの子どもたちの笑顔を見守り続けてきました。おばちゃんが「きよちゃんなら、この棚をきっと大切にしてくれるわね」と言ってくださった時は、本当に胸が熱くなりました。今、その棚には新しい駄菓子が並び、新しい子どもたちの笑顔を見守っています。棚一つ一つに込められた想いが、お店全体を温かく包んでいるようです。

きよちゃんの想い
受け継がれる陳列棚の物語
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📸 想いが受け継がれる歴史ある陳列棚

Chapter 5

「開いてた!」忘れられない瞬間

本当の意味での始まり

それは真夏の午後、とても暑い日のことでした。汗をかきながら自転車で駆けつけてきた子どもが、お店の前で大きな声で言ったんです。「ああよかった!開いてた!」その時の安堵の表情と、心からの嬉しそうな笑顔を見た瞬間、私の胸が熱くなりました。「今日、開けてよかった」って心の底から思えた瞬間でした。営業日は週に2〜3日と少ないけれど、開けた日にはいつも子どもたちが列を作って待っていてくれる。「きよちゃんのお店、今日開いてるかな?」って期待を込めて来てくれる子どもたち。その期待に応えられた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。この「開いてた!」の一言が、駄菓子屋きよちゃんの本当の出発点となりました。不定期営業でも、子どもたちにとって特別な場所になれたんだと実感できた、忘れられない大切な瞬間です。

きよちゃんの想い
「開いてた!」忘れられない瞬間
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📸 子どもたちからの心からの「ありがとう」

💕🏪💕

これからも、ずっと

3年間、地域の皆さんに支えられながら続けてこられました。

「友達でもない先生でもない、ただの大人に話せる場所」

それは決して一人では作れない、
みんなで育てていく特別な場所。

子どもたちの笑顔と、地域の皆さんの温かさに支えられて、
これからもずっと、この想いを大切にしていきます。

― きよちゃんより、心を込めて ―